研究室への参加を希望する方へ

 普段の生活で海を意識する人は少ないかもしれませんが、海洋は地球の表面積の70%をしめ、地球上の97.4%の水が存在しています。そのため、海洋は地球のエネルギーの移動や物質の循環に重要な役割をはたしています。この海水中には様々の生物が生息しており、水産資源など人間が直接利用している生物も多くいます。海洋生態系の基本をなしている一次生産は顕微鏡サイズの植物プランクトンによって行われており、植物プランクトンの変動は、食料資源はもちろん、地球の二酸化炭素をはじめとした物質の循環にも重要な役割を果たしています。

 特に沿岸域では、海洋の1%に満たない面積で人間が利用する魚類の50%以上の生産が行なわれていると言われています。一方で、沿岸域は人間生活にとっても大切な場所で、地球上の人口の多くが海岸からそれほど離れていない場所に住んでおり、沿岸域は人間生活の影響の非常に大きい場所です。この沿岸域での豊富な生産を支えているのも植物プランクトンであり、一方で環境問題と知られている赤潮も植物プランクトンによって引き起こされています。

 当研究室の石坂は植物プランクトンによる海洋の一次生産の変動について、衛星リモートセンシングという新しい手法や、海洋観測、過去のデータ解析などの手法を使って、水循環をはじめとした気候変動や人間活動との関連を中心に研究しています。植物プランクトンを通して、海洋や沿岸域と人間活動について考えて行こうとしています。地球全体から内湾までの幅広い空間スケールの現象についての研究をしております。

 2016年4月からは海洋物理学が専門の相木秀則准教授も同じ研究室として参加し、衛星生物海洋学から海洋学研究室としました。

 それにともなって、研究内容も物理から生物まで比婆広い現象を扱うようになりましたので、ぜひ一度たずねてください。

 なお本研究室は、2009年4月から発足した新しい研究室ですが、前身の名古屋大学地球水循環研究センターの海洋気候生物学研究室や、石坂が以前在籍していた長崎大学水産学部海洋情報学研究室からは多くの学生が卒業・修了しております。

 大学院はもちろん、卒業研究に関してもメールで気軽に相談してみてください。






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